昼、退院後初の受診に病院へ行く。先生は傷を見て「きれいですね!テープかぶれもないし、とても順調ですよ。」と言ってくださった。私は手術後、自分の傷をはじめてまじまじと見た。実は己のことながら、痛々しくて直視できなかったのだ。傷は、恥骨の少し上に横一文字、9センチほど。周りにしこりがあって、その周辺はまだ痺れたまま感覚がない。傷の内側のみを溶ける糸で縫っているので、抜糸もなく、傷の表面に縦のぎざぎざ(漫画でよくある、ヤクザのほっぺ傷みたいなやつ)もない。表面上、切っているのは9センチだけだが、その内側はかなり広くおなかを開けているので、皮下出血跡が黄色く変色している。そして、下腹部からおへその上あたりまで、ぱーん!と腫れていて、ウエストなしの超キューピー体系だ。元々キューピーなのに、さらにキューピー。しかも、チュニジア焼けした黒いキューピーである。このまま一生キューピーだったらどうしよう…と急に不安になって、阿呆な質問を先生に投げると「あははー。だいじょうぶですよ。じょじょに腫れもひいてきますし、しこりも取れてきます。まあ、本当に元通りになるには半年くらいかかりますかね。」と笑われた。あははー、よかった。病院後、普段めったに行かない場所へ行く。それは、某TV局のあるビル。なぜならそこには、都内にも数店舗しかない‘DOUGHNUT PLANT NEW YORK CITY’があるからだ。私はここのドーナツが大好きである。特に‘FILLED SQUARE’と呼ばれる、中にとろりとしたクリーム入りの四角いベーカリードーナツのおいしさといったらないですよ!今日は、私と同じ時期に開腹手術で入院している友達のために、ここのドーナツを買いにきたのである。私が食べ物で生きる気力を取り戻したのと同じく、彼女にもぜひ食欲で元気になってもらいたいと思い。先日、彼女と電話した際、「今、一番食べたいものはドーナツ。」と言っていた。それで、見舞うならドーナッツプラントしかないと思ったのである。京都の喫茶店・六曜社で食べるような、クラシックなドーナツも大好きだけれど、ドーナッツプラントは、原材料にもとてもこだわりがあるので、病み上がりの彼女の体には、こっちのほうがいいと思ったのもある。相変わらず牛歩状態で店までたどり着き、彼女の分と自分の分も買って、夏休みでにぎわうTV局ビルを後にした。帰りの車の中でがまんできずに、キャラメルクリームの入ったFILLED SQUAREにかぶりつく。ああ…生きてるなあ。